ニュースレターは習慣化に最適な形式、Quartz Japanの挑戦・・・特集「メディアのサブスクリプション戦略2020」

MIの6月特集「メディアのサブスクリプション戦略2020」では、メディアの新しいビジネスモデルとして世界的にチャレンジが続くサブスクリプションについて取り上げます。6月30日(火)には7社がサブスクを語るオンラインセミナーも開催。サブスクに挑戦するメディアの話を…

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ニュースレターは習慣化に最適な形式、Quartz Japanの挑戦・・・特集「メディアのサブスクリプション戦略2020」
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MIの6月特集「メディアのサブスクリプション戦略2020」では、メディアの新しいビジネスモデルとして世界的にチャレンジが続くサブスクリプションについて取り上げます。6月30日(火)には7社がサブスクを語るオンラインセミナーも開催。サブスクに挑戦するメディアの話を直接聞けるチャンスです。ぜひご参加ください。

「経済情報で、世界を変える」を掲げるユーザベースは、2018年に米国のQuartz Mediaを買収。グローバルブランドの経済メディアとして認知が高まっていた「Quartz」を有する同社を買収したことは衝撃を持って迎えられました。

そして2019年秋に日本版となるQuartz Japanが誕生しました。ユーザベースの母国市場である日本で、既にスマホ時代の経済メディアとして確たる地位を築いたNewsPicksに次ぐ経済メディアという事を注目されましたが、注目の要因は別にもありました。

それが、ウェブサイトはなく、ニュースレターだけで展開をしていくサブスクリプション型のメディアだったということです。Quartzはニュースレターを再発明して、メディアに欠かせない重要な読者接点に昇華した事で知られます。そんなQuartzが日本展開で目指す将来像について、Quartz Japan編集長の年吉聡太氏、ディレクターの小西悠介氏にお話を伺いました。

―――最初に自己紹介をお願いできますでしょうか?

年吉: Quartz Japanの編集長を務めている年吉です。今年の1月にユーザベースに加わって、創刊編集長の森川から引き継ぎました。これまでは雑誌の仕事が長く、「WIRED日本版」の副編集長をしていたこともあります。最近は主にデジタルメディアのお手伝いをしていたのですが、スピードや量で戦うスタイルに限界も感じていて、ニュースレターという挑戦に興味を持って加わりました。

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「Quartz Japan」編集長の年吉氏 (撮影: 西田香織)

小西: 年吉とは対照的に、私はユーザベースに新卒で入って、2015年くらいから現社長の坂本と一緒にNewsPicksを立ち上げていくという仕事をしていました。Quartz Japanでは最初の構想段階から参加していて、今は有料会員を獲得するマーケティングを中心に、プロダクトや管理なども手広く担当しています。

「Quartz Japan」ディレクターの小西氏 (撮影: 西田香織)

―――Quartzの日本展開はどういった経緯で始まっていったのでしょうか?

小西: ユーザベースでは2018年にQuartzをAtlantic Mediaから買収しました。それまでも、ダウ・ジョーンズと組んで海外展開にチャレンジしたことがありましたが、Quartzというグローバルブランドを獲得したことで、本格的に日本以外でも経済メディアを展開する土壌が作れました。買収後には広告モデルからサブスクリプションモデルへの展開を急いでいて、まさにいま全力を注いでいるところです。

一方でQuartzとしては英語圏では確たる地位を築きつつありましたが、非英語圏での展開は手つかずでした。日本はユーザベースとして母国市場ですので、まずはここでチャレンジしようということになりました。メディアとしてNewsPicksに続く、次の成長の矢にしたいという考え方もありました。

―――既に成功しているNewsPicksをプラットフォームとして活用しようという考えはなかったのでしょうか?

小西: もちろんありました。Quartz Japanが単独のニュースレターとして立ち上がる以前から、買収後にQuartzの良い記事を翻訳してNewsPicksに掲載するという取り組みも行われていました。ただ、どうしてもグローバルニュースというのは読まれないんです(笑)。なので単純にユーザーが多いところに載せる、というだけでは難しかったんです。これは何故ニュースレターというフォーマットを選んだかという話に繋がっていきます。

それから、Quartzはグローバルなブランドでしたので、グローバルを意識したメディアとして、そのイメージも活かしたいと思い、日本でもQuartzブランドを立ち上げていく決断をしました。

Quartz Japanが配信しているニュースレター

―――グローバルニュースが読まれないという課題に対する解がニュースレターだったのでしょうか?

小西: 「ニュースレターでいこう」と言い出したのは梅田 (優祐氏、ユーザベース代表取締役CEO)です。僕と、もう一人いまも一緒にQuartz Japanをやっている福田は「ニュースレター?」という反応だったと思います(笑)。ニュースレターはQuartzが再発明して、欧米メディアには無くてはならない存在になっています。ただ日本では旧来からのメルマガのイメージで、馴染みがありませんでした。

背景にあったのは、とにかくグローバルニュースは読まれないという難しさでした。NewsPicksを読む若い世代でもグローバルニュースへの距離感は相当なものがあります。もちろん、日本のニュースだけでも膨大にある中で、さらに量の多いグローバルニュースで何が重要なのかを考えて読むというのは相当なハードルです。

なので、”今日読むべきニュース”を編集部が一定のボリュームで編集して、それを定期的に届くニュースレターというフォーマットで提供するというのは合理性があるな、と思うようになりました。

6月22日から配信されているコンテンツ

―――実際にニュースレターでやってみて、良かったのはどんな事でしょうか?


《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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