【メディア企業徹底考察 #31】「遊べる本屋」の限界が露呈したヴィレッジヴァンガード、ビジネスモデルの転換迫られる

書店「ヴィレッジヴァンガード」を展開する株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの業績が冴えません。2021年5月期の売上高は前期比3.3%減の282億9,300万円、営業利益は2,900万円(前期は2億8,600万円の営業損失)となりました。かろうじて営業利益を出したも…

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書店「ヴィレッジヴァンガード」を展開する株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの業績が冴えません。2021年5月期の売上高は前期比3.3%減の282億9,300万円、営業利益は2,900万円(前期は2億8,600万円の営業損失)となりました。かろうじて営業利益を出したものの、新型コロナウイルス感染拡大前から一番の課題になっていた売上高が回復しません。

■ヴィレッジヴァンガードコーポレーション業績推移(単位:百万円)

決算短信より筆者作成
※営業利益は右軸

ヴィレッジヴァンガードといえば、「遊べる本屋」をキーワードに、独自の品ぞろえや陳列を徹底していることが特徴ですが、実はこの特徴こそが業績を圧迫していると考えられます。

この記事はヴィレッジヴァンガードのビジネスモデルと業績を見ながら、コロナ後の成長戦略としてどのような描いているのか、描くべきなのかを独自に分析する内容です。

「メディア企業徹底考察」シリーズのバックナンバーはこちら

既存店の売上減、不採算店の撤退で薄氷を踏む経営状態続く

ヴィレッジヴァンガードの経営状況を売上高と営業利益に分けて説明します。

ヴィレッジヴァンガードは2021年3月の既存店売上高が前年比112.9%、4月が255.8%、5月170.1%と驚異的な伸びを見せていますが、これは2020年の緊急事態宣言下と比較をしているためです。これを2019年比でみると、3月が84.0%、4月が85.2%、5月が79.6%で3カ月の平均は82.9%と回復には程遠い状況です。

同じくサブカル系の書籍や雑貨を扱う、まんだらけの同時期の既存店売上高の2019年比平均値は97.6%となり、ヴィレッジヴァンガードとの差を10%以上あけました。


《不破聡》

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