iOSのATTが実装された2021年、モバイルアプリのマーケティングを形作った5つのトレンド・・・AppsFlyer調べ

広告の効果計測やデータ分析を手掛けるAppsFlyerは、2021年にデジタルマーケティングやモバイルアプリを取り巻く環境の中で大きな変化があった5つのトレンドをまとめ、発表しました。また、それら5つのトレンドに関して、2022年以降にどのような変化が生じるのかについ…

テクノロジー その他
<p>Photo by <a href=

広告の効果計測やデータ分析を手掛けるAppsFlyerは、2021年にデジタルマーケティングやモバイルアプリを取り巻く環境の中で大きな変化があった5つのトレンドをまとめ、発表しました。また、それら5つのトレンドに関して、2022年以降にどのような変化が生じるのかについて考察を行っています。

iOS14.5によるプライバシー保護体制の強化以降も、モバイルアプリのマーケティング測定機能はほぼ維持

モバイルアプリのインストール数自体は、2021年は前年と比較して19%向上しています。しかし、2021年4月26日にAppleがiOS14.5でApp Tracking Transparency(ATT)フレームワークの適用を開始し、ユーザーのプライバシー保護体制を強化したことで、マーケターはユーザーから得られる情報が絞られ、厳しい状況下に追い込まれました。

このため、マーケターは測定方法を変更し、顧客のプライバシー保護を実現したまま測定や分析を行えるSKAdNetwork(SKAN)への対応を急速に進めることで、iOS14.5以前のレベルに近い測定機能を維持しました。AppFiyerは、2022年以降も同様の流れが継続・加速していくものだと位置づけています。

ユーザー獲得予算は前年度比40%増加

2021年のユーザー獲得予算は2020年度の780億ドルから830億ドルに達しました。Androidでは前年度比50%、iOSでは前年度比26%の増加となりましたが、この両者の成長の背景は大きく異なっています。iOSではマーケティング方法の変更を余儀なくされたことで実効コストや予算が大幅に増加したことや、得られるデータの関連性や精度が低下したことに起因しています。

一方、AndroidではiOSと比較しても優れたデータ粒度を備えていることから需要が急増したとのことです。

有料リマーケティングの革新によりiOSが回復、オウンドメディアは45%増加

iOS14.5のリリース以降、リマーケティングの基本であるターゲティングやパーソナライゼーションが機能せず、モバイルアプリによるリマーケティングは落ち込みました。しかしながら、Googleによって、プライバシーに準拠した識別子であるGBRAIDが導入されたことにより、マーケティングのコンバージョン数が再び増加に転じています。

また、既存のユーザーに対してアプローチを行うための代替手段として、ファーストパーティデータの収集に優れオウンドメディアの活用が4月時点と比較し45%増加しました。

ゲーム収益の大幅な減少が発生。プライバシー保護とゲームアプリの収益確保の両立の困難さがあらわに

iOS版では、今年4月から9月にかけてゲームアプリからの収益が38%減少しています。ゲームアプリは他のアプリとは異なり、マーケティングとユーザーデータを通して最適化する機能の双方に大きく依存しています。ユーザーのプライバシー保護強化のあおりを強く受け、収益の大幅な減少につながったと考えられます。

ゲームアプリは、利用可能なデータとその測定方法を確立することに長けているものの、来年以降上昇傾向に転じるか否かは不透明である、と分析されています。

ATTの実装開始とさらなる導入率の増加の見込み

iOS14.5の導入により、ユーザーに対してデータ収集やトラッキングの許可を得る目的で実装されたATT(App Tracking Transparency)は、モバイルアプリやデータマーケティング業界全体を大きく変えた事柄の1つともいえるでしょう。

iOS14.5のリリースから6ヶ月時点で、モバイルアプリ中の約65%がユーザーの同意を得るためのプロンプトを実装しているとされていますが、この増加傾向は来年以降も継続すると見込まれています。来年時点では実装率は約70~75%と予想されています。

《t-katamoto》

関連タグ

特集