「広告モデルから読者収入モデルへと軸足を移しつつある」デジタルメディアの未来は明るいか? FIPPの最新報告書

FIPPの新しい調査報告書『Global Digital Subscription Snapshot – Q4 2022』で、世界中の出版社は経済的な困難にもかかわらず、購読者数を増やしていると言います。FIPPの社長兼CEOであるジェイムス・ヒューズ氏は、「迫り来る景気後退とインフレの組み合わせは、Covi…

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FIPPの新しい調査報告書『Global Digital Subscription Snapshot – Q4 2022』で、世界中の出版社は経済的な困難にもかかわらず、購読者数を増やしていると言います。FIPPの社長兼CEOであるジェイムス・ヒューズ氏は、「迫り来る景気後退とインフレの組み合わせは、Covid後の健全な回復に見えた収益源に影を落としている」としながらも、『あらゆるところに成長の証拠があり、出版社がまだ何らかの減速の影響を受けている兆候はない 』と述べています。

その証拠として挙げているのは、140の個別タイトルにおける4210万件のデジタルサブスクリプションの獲得を一例に、21のグループの2650万件のデジタルのみのサブスクリプション契約数の増加(6.33%)やブランドによるサブスタックのニュースレターの会員数の50%増などいずれも増加の傾向にあることを示しているからです。

具体的な一例としてアルゼンチンの『クラリン(https://www.clarin.com/)』をご紹介しましょう。現在、有料サブスクリプション会員数60万人、全世界ランキング20位内に入る勢いです。またSubstuckも周囲の予想を裏切り好調な業績です。このようにデジタルニュースに対価を支払う傾向はマクロ経済やインフレとは関係なく別の要素で対価を得られているのです。


《前田邦宏》

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前田邦宏

前田邦宏

メディアイノベーション見習いスタッフ。海外調査の最新動向を担当。分野を問わず、調べ物が好き。

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