“いいね”機能がなくなったInstagram、ポジティブに受け止めたインフルエンサーが約4割

インフルエンサーとソーシャルリレーション マーケティングを展開するLIDDELL株式会社は、海外を中心にインスタグラム上で起きているリアルさや嘘のない率直さをポジティブに受け止めるムーブメントが、日本においても同様に浸透しているのかを独自に調査した結果を発表…

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“いいね”機能がなくなったInstagram、ポジティブに受け止めたインフルエンサーが約4割

インフルエンサーとソーシャルリレーション マーケティングを展開するLIDDELL株式会社は、海外を中心にインスタグラム上で起きているリアルさや嘘のない率直さをポジティブに受け止めるムーブメントが、日本においても同様に浸透しているのかを独自に調査した結果を発表しました。

2017年末に“インスタ映え” が流行語になり、インスタグラムにはフォトジェニックな写真など非日常を演出する投稿が多くなっていましたが、海外では昨今、インフルエンサーが加工など修正がされていない「ありのまま」の姿をがオープンにし始める現象が続いています。これまでのスキニーな体型こそが美しいという概念を超え、プラスサイズもどんな身体であってもありのままが美しいという“ボディポジティブ” というムーブメントにより、ファッション業界に現実的に影響を及ぼすほどになっています。このような形でインスタグラムを発端に、多様なあり方を受け入れようという考え方が静かに現実化しており、ウケを意識してつくり込まれた写真よりも、逆にリアルさが感じられるものやウソのない投稿が求められる傾向が起きています。

この実態をリデル社運営のマッチングプラットフォーム「SPIRIT(スピリット)」に会員登録あるインフルエンサーから無作為に抽出した164名にアンケートを実施しました。

「インスタグラムで “いいね” が非表示になったことは、気持ちにどんな影響がありますか?」という問いには、「気楽に投稿できるようになった」との回答がもっとも多く全体の37.2%、2位「特になんとも思わない」が36.0%、「他人の評価がわからなくて不満がある」が21.3%と、ほぼこの3回答に集約されました。共感や影響力の強さを計る指標に大きく影響を与えていた “いいね” ですが、本格的に「ありのまま」、リアルで率直であることへのプラットフォームになろうという媒体側の流れも手伝い、回答数値もそれを裏付けつつ、一方で常にフォロワーを視界に置いていたインフルエンサーにとっては不安感も正直残る、という生々しい結果が見えてきます。

次に、「インスタグラムの投稿であなたが最近(直近3ヶ月程度) “いいね” を押す投稿に変化がありますか?」 との問いには51.8%が「ない」と答え、34.1%が「ある」、14.0%が「どちらともいえない」と回答。「ある」と回答した方に具体的に共感した投稿が持つ傾向について尋ねたところ、「写真の加工や構図に必要以上のつくりこみがない、ありのままの自然さがある投稿」が53.6%ともっとも多く、25.0%が「写真の加工や構図を可能な限り手を入れた、非現実的な世界観を感じる投稿」と回答しています。12.5%が「フォトジェニックではないが、ギャグなど面白く個性的な投稿」と答え、ほかに「文章に思いがあったり、情報として自分のためになるもの」や「その人らしい投稿」、「自己満足な投稿ではなく、しっかり見る側へ向けた投稿になっているか?」などの回答がありました。

「インスタグラムの世界では多様性(ex.体系、人種、ジェンダーなど)を表現する投稿が受け入れられていますが、どんな感想を持ちますか?」という問いには、55.5%の人が「好ましく思う」と回答していますが、「なんとも思わない」という回答も34.1%ほど存在し、投稿に反映された多様性を好意的に感じている人は半数にとどまるという、当初予想したほどのインパクトを感じる結果ではありませんでした。また、はっきりと「あまり好ましく思わない」という声や、ポーズのようにジェンダーに関する投稿をすることには違和感を覚えるといった声も少数ながら存在しており、このあたりはまだ海外に比べて語られるテーマとして歴史が浅い日本ならではの文化と言えるようです。一方で「勇気づけられた」などプラスの影響を感じたという回答もわずかながら存在していました。

最後に「インスタグラムで表現される、ありのままの姿や正直さについてどんな感想を持ちますか?」という質問には、62.2%が「励まされる、勇気を得るなど良い影響を受けた」とポジティブな感想を持つ方が多くを占め、次に「特になんとも思わない」という回答で、一貫してこうしたムーブメントにおいて別段関心を持たないという層が一定数いることがわかります。一方、明確に「きれいなものだけを見たいので正直受け入れられない」という率直な声も9.1%ほど存在していることも事実で、その他の少数意見においても、「自分は(インスタグラムを)そういう場(ありのままを投稿する場)としていない」、「それに救われる人がいるのはいいと思うが、見ていてギョッとするような投稿はちょっと…」という声があることも特筆すべき点です。

《Nakashima Takeharu》

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Nakashima Takeharu

「佐賀経済新聞」編集長。県内で開催のアジア最大級の熱気球大会では広報・メディア対応とネットコミュニケーションを担当。

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