博報堂DYホールディングスの研究部門「Human-Centered AI Institute(以下、HCAI)」は、REVISIOが保有する広告視聴質データを活用した「CM企画&映像(Vコン)自動生成ツール」を開発したと発表しました。
同ツールは、博報堂が持つマーケティング知見とアンドデジタルの生成AI技術を組み合わせて開発されており、CM制作工程での有効性を検証するため、社内でのPoC(概念実証)を開始しています。
従来のCM制作では、生活者の広告注視を得るためのアイデア発想や分析、提案用のCM企画資料や絵コンテ・映像コンテ作成を手作業で行うことに膨大な時間が必要でした。
新ツールでは、REVISIOの保有する広告視聴質データと博報堂DYグループのマーケティング知見、最新のAI技術を融合することで、この課題を解消し、業務効率化とデータに基づいたCM制作の提案力強化を実現します。

主な機能として、博報堂のクリエイティブディレクター独自の発想手法やマーケティングノウハウを学習させた生成AIにより、示唆に富んだキャッチコピー案からCM企画・演出構成、細かく尺で割った字コンテまでを生成できます。
また、REVISIOが保有する生活者の広告視聴データに基づき、注目を集めた広告の特徴を形式知化したデータから成功要因を分析し、新たなクリエイティブへの活用も可能です。
アンドデジタルの生成AI技術により、生成された企画案や字コンテに基づき絵コンテを自動生成し、企画意図に沿った映像(Vコン)などを自動生成します。これにより、企画初期段階での多様なクリエイティブ案の迅速な検討が可能になります。

博報堂DYグループでは2024年4月に「HCAI」を立ち上げ、AI活用による「人間の創造性の進化・拡張」を目指した取り組みを進めてきました。今後もAI技術を積極的に取り入れ、データとクリエイティブの融合による新たな価値創造を通じて、クライアント企業のマーケティング活動を強力に支援していく方針です。
生成AIと視聴質データの融合は、広告制作の在り方を根本から変える可能性を秘めています。人間の創造性を拡張するパートナーとしてのAIの活用が、今後のCM企画におけるスピードと質の両立を実現し、業界全体の競争力強化につながることが期待されます。