ノバセルは、デジタル広告領域で高いクリエイティブ力を持つFUSIONの株式を取得すると発表しました。両社の統合により、テレビとデジタル、認知と獲得、構造と感性のすべてを統合する新しい広告モデル「ネクストマス」を本格始動します。
今回の買収の背景には、従来型マスメディアの影響力が相対的に低下し、TikTokやInstagramといったSNS動画を起点とする「ネクストマス市場」が新たな主戦場として浮上している市場の変化があります。SNS動画広告は、単なる獲得チャネルではなく、Z世代をはじめとした若年層への認知拡大・ブランド形成において重要性を増してきました。
一方で、多くの企業では、SNS向けのクリエイティブ制作力や即応性のある運用体制が不十分であり、テレビとSNSの統合設計が難しいという課題を抱えています。企業にとっては「認知から獲得までを一貫して設計する」マーケティングが不可欠です。
ノバセルはこれまで「仕組みで、マーケティングを変える」というミッションのもと、マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)、テレビCM効果の可視化SaaS、AIによる仮説設計支援、BPOによる運用代行などを提供し、マーケティングの再現性と効率を高めてきました。
一方、FUSIONは「日本で最もクリエイティブなデジタルエージェンシー」を標榜し、デジタル広告領域においてコピーライティング、アートディレクション、動画コンテンツ、SNS戦略などを統合的に提供し、属人的でありながらも圧倒的な成果を残すクリエイティブ集団として数々の実績を築いてきました。
今回の株式取得を通じて、テレビCM領域でのノバセルの企画力とAI分析基盤に、FUSIONのSNSコンテンツ制作力と運用力を融合することで、総合的価値を提供します。
両社のシナジーにより、認知と獲得の一体設計、創造と構造の共存、AIによる属人性の再現が可能となります。提供サービスには、マーケティング統合戦略設計、テレビ×デジタル統合クリエイティブ制作、パフォーマンス広告運用、データドリブンなクリエイティブ検証・改善体制、AIによる競合分析・ペルソナ抽出・仮説生成・レポート生成が含まれます。

対象として、年商数十から数百億円規模で広告のROI改善を模索する成長企業、ブランド投資とパフォーマンス獲得の両立を目指す企業、マーケティング部門の体制構築に悩む中堅から大手企業、クリエイティブの属人性と再現性を両立したい経営層・CMO層を想定しています。
両社は、今後ノバセルのAI・SaaS・BPOなどの構造的なマーケティング支援基盤と、FUSIONの属人的で創造的なクリエイティブ力を掛け合わせることで、本質的な価値創造の実現を目指すとしています。