インフルエンサープラットフォームを展開する株式会社トリドリが2022年11月14日に上場承認され、12月19日グロース市場に新規上場します。想定発行価格は1,470円。今回の上場によってトリドリは4億700万円を調達する計画です。
トリドリは2016年6月に設立した、インフルエンサー型アフィリエイトサービスを提供するアップロントが前身の会社。創業から6年のスピード上場となりました。現在も主力となる事業は成果報酬型のアフィリエイトサービスですが、今後の成長のカギはインフルエンサー仲介プラットフォームが握っています。
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債務超過から5億円の資金調達で成長ステージへ
トリドリは、2021年7月に株式会社GIVINを買収しました。同社はインフルエンサーのアパレルブランドの立ち上げ支援を行う会社。連結子会社化したことにより、トリドリの2022年12月期の売上高は前期比87.4%増と大幅に伸張しました。
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2018年12月以降は赤字が拡大し続けています。トリドリは事業を強化する目的で2019年12月期から人件費やインフルエンサーの獲得に継続的な投資を行いました。この期に600万円超の債務超過に転落します。
2020年8月に日本郵政キャピタル、三菱UFJキャピタルなどのベンチャーキャピタルや、メディア事業を行う株式会社セレスなどの事業会社に対して第三者割当増資を実施。5億円の資金調達を行いました。
トリドリはタクシー広告などの大規模なマーケティング施策を実施し、2020年12月期に売上高を前期比49.5%増加させるなど、成長重視の経営へとシフトしました。
トリドリは5つの事業(サービス)を展開しています。
1.インフルエンサー仲介プラットフォーム「toridori base」
2.インフルエンサー成果報酬型広告(アフィリエイト)「toridori ad」
3.インフルエンサータイアップ広告「toridori promotion」
4.YouTubeの企画や映像製作「toridori studio」
5.インフルエンサーブランド構築支援「toridori made」(買収したGIVINの事業)
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現在の主力はアフィリエイトサービスのtoridori adです。
マッチングプラットフォームは粗利率40%超の優良サービス
toridori base、toridori ad、toridori promotionの違いが分かりづらいので、詳しく説明します。
toridori baseは、企業とインフルエンサーのマッチングプラットフォームです。企業がPRの案件を募集すると、希望するインフルエンサーがそれに応募するというものです。
toridori adは同じく企業とインフルエンサーをマッチングするサービスですが、こちらは企業側の成果が発生した時点で報酬を支払うビジネスモデルです。例えば、化粧品をインフルエンサーが紹介し、投稿に貼り付けたリンク経由で企業に売上が発生した場合、インフルエンサーに報酬が支払われます。その手数料をトリドリが徴収します。
toridori promotionは投稿に応じた固定報酬を支払うもので、個別の案件に対してトリドリがふさわしいインフルエンサーをアサイン。PRを実施するというコンサルティング型のサービスです。
トリドリのサービスは、粗利率(売上総利益率)を見るとその違いが一目瞭然です。