ニューヨーク・タイムズ vs OpenAI、裁判所が著作権訴訟の棄却申し立てを却下【Media Innovation Weekly】3/31号

・ニューヨーク・タイムズがOpenAIを著作権侵害で訴え、裁判所は訴訟を継続する決定を下した
・OpenAIは、著作権保護されたデータの無断利用が「フェアユース」であると主張
・裁判の結果がAI業界全体に影響を及ぼす可能性があり、注目されている

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ニューヨーク・タイムズ vs OpenAI、裁判所が著作権訴訟の棄却申し立てを却下【Media Innovation Weekly】3/31号
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今週のテーマ解説 ニューヨーク・タイムズ vs OpenAI、裁判所が著作権訴訟の棄却申し立てを却下

日進月歩で進化する生成AI。ただ、その学習にはインターネットに公開されている膨大なデータが不可欠です。特に検索機能を有し、最新のニュースにも対応するようになってからは、リアルタイムで更新されるニュースがデータとして求められるようになっています。

生成AIを開発する企業は、それらをインターネットからスクレイピングして活用してきました。特段の許可や補償なしに。一部のパブリッシャーはAI企業とのライセンス契約を締結しましたが、ニューヨーク・タイムズなどは徹底抗戦する姿勢を示し、提訴に至っています。その訴訟に動きがありました。

ニューヨーク連邦地裁のシドニー・スタイン判事は水曜日、ニューヨーク・タイムズやデイリー・ニュースなど複数の報道機関が提起した著作権侵害訴訟に対するOpenAIとマイクロソフトの棄却申し立ての大部分を却下しました。この訴訟は、両社が許可や支払いなしにニュース記事を利用してAIモデルを訓練したと主張するものです。

ステイン判事は訴訟の範囲を一部狭めましたが、主要な著作権侵害の申し立てについては審理を進めることを認め、「詳細な理由を記した意見書を迅速に公開する」と約束しています。この訴訟はメディア企業にとっても、AI企業にとっても非常に大きな影響があります。AI開発の根幹が合法であったのか、それとも非合法であったのか、AI企業はこのまま突っ走るのか、適切な補償を提示する必要があるのか、今の論点をまとめてみました。

裁判の焦点は「フェアユース」


《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。

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