株式会社CARTA HOLDINGSと株式会社デジタルインファクトは、国内のリテールメディア広告市場に関する共同調査を実施し、2025年から2029年までの市場規模推計と予測を発表しました。
2025年は前年比129%の高成長を実現
調査によると、2025年の国内リテールメディア広告市場は前年比129%と高い成長率を記録し、6066億円に達する見通しです。その内訳は、EC事業者が5236億円、店舗事業者が830億円となっています。
リテールメディア広告市場とは、広告主によるリテールメディア広告への年間支出総額を指します。店舗を持つ小売企業や、EC専業の小売企業が提供する各種オンラインメディア広告に加え、店舗に設置しているデジタルサイネージ広告も含まれます。
市場拡大の背景には、生活者のECサイト利用額が引き続き拡大を続けていることがあります。大手EC事業者が提供するリテールメディア広告に対する需要は引き続き高い水準で推移しています。
購買データに基づく効果可視化が評価される
リテールメディア広告は、広告主より購買データに基づいた広告効果が可視化できる点を高く評価されています。大手広告主においては、従来の営業部門による販促費にとどまらず、広告宣伝・マーケティング部門による広告宣伝費からの投資が本格化しつつあります。
大手EC事業者においては、認知・獲得から購買までのフルファネルをカバーする広告商品を拡充し、大手広告主の投資を促進しています。また、大手店舗事業者においては、リテールメディアビジネスに向けた環境整備が引き続き進展しています。
一方で、事業者間では、リテールメディア事業への取り組み姿勢や成長スピードに差が見られるようになっています。広告事業者は、リテールメディアネットワークの形成や、店舗事業者の広告事業開発の支援により、広告主の投資対象としての魅力を高め、EC事業者や店舗事業者の収益化に寄与しています。
店舗事業者の参入が市場成長を加速
店舗事業者のリテールメディア広告市場では、大手企業を中心に、リテールメディア事業部門の組織化が進み、広告ビジネスへの本格的な投資が進展しています。
広告事業者との提携により、広告配信基盤の構築や運用体制の整備が進み、リテールメディア広告に取り組む環境が整いつつあります。また、広告会社などを通じて企業の広告宣伝・マーケティング部門からの予算獲得を目指す動きも進展しており、リテールメディアネットワークへの参画を通じて、小売単体では獲得が難しかった広告主予算の取り込みを図る動きも見られます。
デジタル広告は、店舗事業者と取引関係を持つメーカー企業からの広告出稿が引き続き堅調で、アプリ向けのクーポン広告やECサイトにおける検索連動型広告を中心に需要が拡大しました。
デジタルサイネージは、その高い訴求力による大きな認知効果が見直されています。そのような背景のもと、コンビニエンスストアをはじめ、一部の大手企業による積極的な投資による環境整備が進み、大手広告主からの投資を呼び込み需要が拡大しました。
2025年の店舗事業者におけるリテールメディア広告市場は830億円となり、その内訳は、デジタル広告が620億円、デジタルサイネージが210億円です。
課題克服により2029年には1兆円超の市場に
現在は、ターゲティング精度や広告効果測定手法の整備が十分でない点や、広告主や小売事業者内での部門構造等が投資判断の分かれ目となっており、今後は業界全体での環境整備が進むことが期待されます。
引き続き、大手EC事業者が提供するリテールメディア広告に対する広告主からの高い需要が継続するとともに、店舗事業者が提供するリテールメディア広告への需要も拡大することで、市場は高い成長を持続します。2029年には2025年比約2.2倍の1兆3174億円規模に拡大すると予測されます。
店舗事業者のリテールメディア広告市場については、リテールメディア事業を支えるテクノロジーの進展が多くの店舗事業者の参入を後押しし、広告主による継続的な需要の高まりのもと、2029年には2025年比約2.3倍の1939億円に達すると予測されます。




