株式会社朝日新聞社は、取材・報道でAI(人工知能)を利用する際の指針を11月1日付でまとめました。2025年9月に公表した「AIに関する考え方」を踏まえ、具体的な運用や社内手続きを定めたもので、技術や社会の変化に応じて今後も見直すとしています。
指針ではAIの利用を「支援」「整理」「生成」の3段階に分類しています。「支援」は資料収集や文字起こし、校閲補助など取材・編集の参考や事務作業を助ける用途で、既に活用されています。
AIの出力を記事などに使う場合はさらに「整理」と「生成」に分けます。既存情報をまとめる「整理」に対し、文章やデータ、構成にAIの「生成」が大きく関わる場合は、その利用を読者に説明するとしています。お知らせや記録などの定型的な記事では、下書きにAIを利用しているケースもあるということです。
一方、記者がAIで新たに作成した画像や動画はコンテンツに使用しないとしています。入力情報が学習に使われないAIサービスを選ぶなど、安全管理も徹底する方針です。デジタル版などでAIが生成した回答を読者に直接示す機能やサービスについては、本社が事前に審査し、AI利用の明示や問題発生時の対応態勢も整えるとしています。
朝日新聞は、AIには誤情報や偏り、著作権・プライバシー侵害のリスクがあると指摘した上で、事実確認や裏付け取材を尽くすという記者行動基準の原則は変わらないと強調しています。
AIはあくまで補助的な位置づけとし、取材・執筆・編集の判断と責任は人間が担うとしています。AIが社会に大きな影響を及ぼし、報道が監視すべき対象でもあるとの認識を示し、適切な活用を進めながら報道機関としての責任を果たす姿勢を示しました。

