現地時間10月27日、Spotify Technology S.A.は2021年第3四半期(7-9月)の業績を発表しました。売上高は25億100万ユーロ(前年同期比27%増)、営業利益は7500万ユーロ(営業利益率3.0%)でした。

広告収入が大幅増
売上高の増加を支えたのは、3億2300万ユーロ(前年同期比75%増)と好調だった広告収入です。音楽部門では、インプレッション数の増加、CPMの2桁成長などが貢献。ポッドキャスト部門では、既存スタジオが前年同期比で2桁の成長を遂げたことに加え、ポッドキャストに特化したアドテク企業Megaphoneの買収や、さまざまなポッドキャスト番組の独占ライセンス契約が収入増に繋がりました。広告収入は、米国と英国を中心に、すべての販売チャネルで堅調に推移し、予想を大きく上回っています。
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プラットフォーム上のポッドキャスト数は第2四半期末時点の290万件から増加し、320万件でした。ポッドキャストを利用したMAU(月間アクティブユーザー数)は、前四半期と比べて失速しているものの増加傾向にあり、全体の消費時間に占めるポッドキャストの割合は「過去最高」となったと説明しています。また、調査会社Edison Researchのデータと自社データに基づき、「米国で最も利用されているポッドキャストプラットフォームとなった」と説明しています。
同社は今四半期もポッドキャストの発展に注力しており、8月にはポッドキャストの有料サブスクリプションを米国内のクリエイターへ提供開始、今月にはビデオポッドキャストをより多くのクリエイターが利用できるようになりました。
売上の大部分を占める課金収入は前年同期比22%増の21億7800万ユーロでした。ユーザー1人あたりの平均収入(ARPU)は前年同期比4%増の4.34ユーロで、これは主に有料プランの値上げによるものです。
ユーザー数は予想通りの伸び
SpotifyのMAUは3億8100万人(前年同期比19%増)に達し、同社の予想通りの成長でした。特に、インドやフィリピン、インドネシアといった「その他の地域(Rest of World)」が好調だったとのことです。

有料会員数は1億7200万人(前年同期比19%増)となっており、こちらも予想の範囲内の成長でした。当四半期は、HMD Global(Nokiaブランドの携帯電話会社)やLG U+(韓国の通信事業者)などと新たなパートナーシップを結び、アプリのプリインストールや無料トライアルなどのプロモーションを行なったことが会員獲得に貢献したようです。
また、有料会員の解約率は前四半期より低下し、2021年を通しての解約率は昨年を下回る見込みとしています。
なお、コンサルタント会社のMidia Researchが公開した第1四半期時点のデータによれば、SpotifyはライバルのApple MusicやAmazon Musicなどを大きく引き離し、音楽ストリーミングサービスの中で大きなシェアを維持しています。

第4四半期の見通し
第4四半期のガイダンスとしては、総MAUが4億人~4億700万人、課金ユーザーが1億7700万人から1億8100万人、売上高が25億4000万ユーロ~26億8000万ユーロ、営業損失が1億5200万ユーロ~7200万ユーロと予想して