【メディア企業徹底考察 #65】「北欧、暮らしの道具店」運営のクラシコムが上場、高成長の原動力は?

D2C、コンテンツマーケティング、ブランド構築の成功事例として教科書的存在の「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムが、2022年7月1日に上場承認を受け、8月5日にグロース市場に上場することとなりました。 2006年9月に会社を設立し、2007年9月に「北欧…

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D2C、コンテンツマーケティング、ブランド構築の成功事例として教科書的存在の「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムが、2022年7月1日に上場承認を受け、8月5日にグロース市場に上場することとなりました。

2006年9月に会社を設立し、2007年9月に「北欧、暮らしの道具店」をオープン。北欧ヴィンテージ食器や雑貨などをWebで販売します。オウンドメディアやSNSを使った集客手法を得意とし、巧みにブランドを構築しつつ販促費を削減してきました。ファンを増やして着実に実績を積んできた会社です。

上場前の株主は3名。創業者で代表取締役の青木耕平氏、青木代表の妹で共同創業者かつ取締役執行役員の佐藤友子氏、2015年9月に入社して取締役執行役員となった高山達哉氏です。青木氏、佐藤氏が95.5%の株式を保有しています。

新規上場申請のための有価証券報告書より

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の資金が入っていません。新株予約権の発行もしていません。事業の力で会社を成長させ、従業員満足度を高い状態に保ったまま、上場へと至っていることがよくわかります。

クラシコムの成長の原動力には何が隠されているのでしょうか?

経常利益率は16%超を維持

クラシコムの2021年7月期の売上高は前期比30.5%増の45億3,200万円、経常利益は同42.1%増の7億9,700万円でした。経常利益率は17.6%と高い水準を維持しています。

■クラシコムの業績推移(単位:百万円)

※経常利益率の目盛りは右軸

2018年7月期から2021年7月期までの売上成長率は20%台後半から30%をキープ。経常利益も20%から40%台という高い成長率を維持していました。巣ごもり特需が一巡し、2022年7月期の売上高は前期比13.6%増の51億4,900万円、経常利益は4.6%増の8億3,400万円を予想しています。

成長速度はやや落ち着いた印象を受けますが、経常利益率は16.2%とやはり高い水準を保っています。

商材は異なるものの、国内のベンチャーD2Cを代表する企業株式会社ロコンドの2022年2月期の売上高は前期比3.9%減の98億7,500万円、経常利益は同41.2%減の8億5,200万円でした。経常利益率は8.6%と停滞しています。

■ロコンドの業績推移(単位:百万円)

決算短信より筆者作成

ロコンドは上場前の2014年10月にベンチャーキャピタルの株式会社ジャフコから5億円を調達し、累計調達額が30億円を超えました。ロコンドは株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドのEC支援を行うなど、精力的かつ派手な事業展開をしてきたことで有名です。

クラシコムの経常利益はロコンドに近づきました。浮き沈みの激しいロコンドと、安定的に成長しているクラシコムは、資本政策や事業展開において真逆の道を辿っており、それが業績に表れているようにも見えます。

広告宣伝費に頼らない仕組みとは


《不破聡》

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