【メディア企業徹底考察 #67】IPOで話題性の高いエアークローゼットが赤字体質である理由とは?

月額性ファッションレンタルサービス「air Closet」を運営する株式会社エアークローゼットが、2022年6月24日に上場承認を受け、7月29日にグロース市場に上場する予定です。 エアークローゼットは月額9,800円で洋服が借り放題というサービス。2015年2月に事業を開始しま…

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月額性ファッションレンタルサービス「air Closet」を運営する株式会社エアークローゼットが、2022年6月24日に上場承認を受け、7月29日にグロース市場に上場する予定です。

エアークローゼットは月額9,800円で洋服が借り放題というサービス。2015年2月に事業を開始しました。サブスクリプション型の洋服レンタルサービスの嚆矢となった会社です。競合には株式会社ストライプインターナショナルが2015年9月にスタートした「MECHAKARI」があります。

この記事では、エアークローゼットの事業構造と成長性について解説します。

純利益は出ない状態が続く

2021年6月期の売上高は前期比32.9%増の28億8,700万円、経常利益は2,900万円(前年同期は4億1,900万円の経常損失)となりました。2017年6月期から初の経常黒字化を果たしています。

2022年6月期の売上高は前期比16.1%増の33億5,200万円、6,500万円の経常損失を予想しています。一転して赤字となる見込みです。

純利益は2017年6月から一度も出ていません。

■エアークローゼット業績推移(単位:百万円)

エアークローゼットが利益を出しづらい理由は2つあります。1つは配送やクリーニング、倉庫管理などのオペレーションコストが高く、原価が重いこと。もう1つは在庫として管理する洋服の減損損失を避けるのが難しいことです。

原価の65%が倉庫関連費

会員数は2022年3月末時点で32,297人。無料会員が70万人登録されています。課金対象の会員数は基本的に増加傾向にあります。

サブスクリプション型洋服レンタルサービスと聞くと単純なサービスのようにも思えますが、複雑な構造をしています。特に配送、クリーニング、在庫管理がこのビジネスの肝です。

エアークローゼットはサービスを開始したばかりの2015年4月に寺田倉庫株式会社と資本業務提携契約を締結しました。寺田倉庫は上場前のエアークローゼット株の10.92%を保有する主要株主であり、今回の上場で株式の売出は行いません。社外取締役には寺田倉庫の執行役員である月森正憲氏が就任しており、エアークローゼットがいかに物流を重視しているかがわかります。

原価明細を見ると、2021年6月期の倉庫検品料は9億2,700万円。原価全体の64.8%を占めています。対売上高で見ると32.1%を倉庫関連費用が占めているのです。


《不破聡》

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