ヒットチャート情報などを提供するオリコン株式会社の2023年3月期の売上高は前期比8.3%増の48億7,500万円、営業利益は同16.1%増の17億6,500万円でした。営業利益率は36.2%。前年同期から2.4ポイントも上昇しています。
雑誌や携帯電話向けコンテンツの配信が主力事業だった2011年3月期の売上高は68億円。今よりも4割程度多く稼いでいましたが、営業利益率は18.0%で、収益力に圧倒的な差が生じています。
オリコンは顧客満足度調査と、ポータルサイトやメディア向けに音楽・芸能情報などを配信するニュース配信事業の2つが主力となりました。斜陽化する雑誌事業から見事な転身を遂げました。
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70%近い驚異的な利益率を誇る顧客満足度調査とは?
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オリコンは2024年3月期の売上高を前期比4.6%増の51億円、営業利益を同3.7%増の18億3,000万円と予想しています。予想通りの着地で営業利益率は35.9%。利益率はやや下がる予想を出していますが、2023年3月期の期首に出した予想(営業利益16億5,000万円)より営業利益は1億円以上上振れました。
仮に2024年3月期の営業利益が予想より7,000万円程度上乗せされて着地すると、営業利益は19億円で営業利益率は37.3%となります。今期も収益性は伸びる公算は高いでしょう。
これほど営業利益率が高い理由は、事業別の利益率を見るとよくわかります。顧客満足度調査とニュース配信を行うコミュニケーション事業の売上高は、全体の8割程度を占める稼ぎ頭。その主力事業の利益率は66.5%という驚異的なもの。これがオリコンの高収益体質の源泉です。
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コミュニケーション事業の中でも、『オリコン顧客満足度調査〇位』という商標を使うサービスの2023年3月期の売上高は、前期比21.3%増の16億5,100万円で、旺盛に成長しています。2022年3月期の売上高も前期比36.6%もの増加でした。