SMN株式会社は、2024年2月より実施していた「プライバシー・サンドボックス」の効果検証を目的としたテストを同年5月末に完了していた事を明らかにしました。
※グーグルは先日、Chromeにおけるサードパーティクッキーの廃止を断念すると発表。新たなプライバシー保護機構の導入を目指すとしています。つまりプライバシー・サンドボックスの本格導入もなさそうな情勢です
テストの結果、プライバシー・サンドボックスが提供する3つのAPIが正常に動作することを確認し、テスト結果を英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)へ報告しました。
今回のテストでは、Protected Audience API、Topics API、Attribution Reporting APIの3つのAPIを検証しました。具体的には、Protected Audience APIを用いたリターゲティング配信、Topics APIを用いた興味類推ターゲティング(オーディエンスターゲティング)、Attribution Reporting APIを用いたコンバージョン計測がそれぞれ正常に動作することを確認しました。
テストは、モバイル通信業、電気通信業、スポーツ施設提供業の3社を広告主として、2024年2月から5月までの15週間にわたり実施されました。テスト期間中、GoogleがChromeブラウザの1%に対してサードパーティクッキーへのアクセスを制限したことを踏まえ、テスト対象のブラウザを3つの群に分けて検証を行いました。


テストでは、Protected Audience APIを用いた配信で広告表示にかかる時間(レイテンシ)が従来手法より長いことが確認されました。また、Topics APIを用いた配信では、カテゴリごとに配信ボリュームに偏りがあることが分かりました。さらに、Attribution Reporting APIを用いた計測では、コンバージョン数が少ない配信において従来の計測と誤差が大きいことが判明したとのこと。
これらの結果を踏まえ、SMNは広告表示にかかる時間(レイテンシ)の改善や、Topics APIのカテゴリの精度向上、Attribution Reporting APIの誤差最小化に向けたフィードバックを行ったということです。