総合マーケティングリサーチ会社の日本インフォメーション株式会社が実施した「Z世代のイマ~推し活のリアルと消費への影響~」調査により、現代の推し活文化が経済活動に与える影響の実態が浮き彫りになりました。
調査は2025年4月11日から14日にかけて、全国の16~44歳男女914名を対象にインターネットリサーチで実施されました。
Z世代女性が推し活をリードする構図が鮮明に
調査結果によると、推しがいる人の割合はZ世代女性が75.4%と最も高く、Z世代男性の56.1%、Y世代女性の51%を大きく上回りました。Z世代女性は推し活にかける時間・費用の平均も多く、他の世代・性別と比較して積極的な投資姿勢を示しています。

一方、Y世代女性はZ世代女性と比べて時間・費用が少なく、家庭との両立を図りながら推し活を楽しんでいる様子が伺えます。Z世代男性はZ世代女性に比べ推し活にかける平均時間の差は少ないものの、平均費用では5000円程度の差があり、より気軽なスタンスで推し活に取り組んでいることが判明しました。


推しのジャンルについては、Z世代女性およびガチ勢において「J-POPアイドル・アイドルグループ」が1位となりました。近年のアイドルオーディション番組の頻繁な開催や、男女問わず多くのアイドルグループの存在、SNS等での話題性の高さが影響していると考えられます。
日常的な推し活が主流、趣味・楽しみが圧倒的1位
推し活の内容として上位に挙がったのは、グッズ購入や推しの音楽・作品鑑賞、SNSフォローなど、日常的に気軽にできる活動でした。推し活の目的としても趣味・楽しみが圧倒的1位となり、推し活が日常的に行われ、日々のモチベーション向上やストレス解消にもつながっていることが推察されます。

費用面では、ライト勢は1万円以下選択者が87.1%を占める一方で、ガチ勢は53.1%が1万円以上を選択する結果となりました。ライト勢はSNS等での応援やメディア視聴など、費用がかからない推し活がメインとなっていますが、ガチ勢ではコンサートやイベント、遠征などの費用がかかる推し活をする人が多いことが予想されます。
時間については、Y世代女性は10時間以下選択者が57.9%を占めており、Z世代よりも時間をかけない人が多い結果となりました。家族との時間も多くなり、推し活にかける時間が少ない様子が伺えます。また、ガチ勢は平均時間が44時間という結果となり、日常生活の中でも推し活をすることが当たり前になっていることが考えられます。
公式SNSが情報収集の主要チャネルに
推し活での情報収集源について確認したところ、全体として公式SNSが上位に挙がっており、性別・年代・オタク度・ジャンル関係なく使用されていることが分かりました。その中でも公式Xがほとんどの世代・性別・ジャンルで1位を占める結果となりました。

どのようなジャンルの推しでも、基本的には公式SNSを持っていることが多いことが要因だと考えられます。ただし、SNSの中だとTikTokは予想よりも選択率が低く、TikTokは情報収集源としてではなく、あくまでも動画を見て楽しむ目的で使用しているのではないかと考えられます。
Z世代では推しとの出会いとしてもSNSが上位に挙がり、普段からSNSを活用して情報収集していることが伺えます。
推し起用商品への購入意欲は約7割がアップ
推しを起用した企業の商品・サービスへの購入意欲について確認したところ、全体的に購入意欲は高まる傾向となり、推しの存在が購買行動に影響を与えることが分かりました。約7割の回答者が購入意欲の向上を示しており、推し活の内容としてグッズ購入も多く挙がっていたことからも、推しに関連したものを購入することは身近にできる推し活でもあり、身近に推しの活躍を感じられることを嬉しく思う人も多いのではないでしょうか。
推し活文化が経済に与える影響
本調査を通じて、Z世代にとって推し活は日常の一部であり、消費行動にも強く影響を与える文化であることが浮き彫りになりました。推しが関わる商品・サービスへの購入意欲は高く、グッズ購入などの\"推し消費\"も活発です。
企業にとっては、Z世代の共感や応援の気持ちに寄り添った商品設計や情報発信が、ブランドとの接点を生む鍵となります。今後は、推し活の文脈を理解したマーケティングが、Z世代との関係構築のヒントになるかもしれません。
日本インフォメーションでは、今後もZ世代の持つ特徴をテーマ別にレポートし、変化の激しいZ世代の動向をウォッチしていくとしています。