現地時間4月27日、スポティファイはポッドキャスト有料サブスクリプションのテストを米国で開始しました。今後数カ月のうちに、グローバルに展開していく意向です。米アップルが先日発表した有料サブスクリプションは、5月より世界170以上の国と地域で提供され、クリエイターの収益の30%が手数料となりますが、スポティファイの手数料は2年間無料(決済手数料を除く)で、その後5%になるということです。
有料サブスクプラットフォームの導入
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今回テストが開始された有料サブスクリプションプラットフォームは、収益の最大化・幅広いユーザーへのリーチ・番組の見つけやすさを可能にするものだとしています。ポッドキャスト配信ツールのAnchor(アンカー)を通じて、クリエイターは特定のエピソード、またはエピソード全体を選択し、サブスクリプション限定コンテンツとして公開可能。なお、スポティファイだけでなく、他のポッドキャスト配信プラットフォームでも公開できるとしています。

アップルのサブスクリプションはデフォルトで月額課金となっており、クリエイター自身が価格を決定するほか、追加で年額課金を設定できます。一方のスポティファイは、アンカーを通じて、月額2.99ドル、4.99ドル、7.99ドルのいずれかを選択する形になっています。

サブスクリプション限定コンテンツは、無料コンテンツと同様にアプリ上で検索でき、アプリのメインフィードにも表示されるほか、無料コンテンツとの区別がつきやすいよう再生ボタンにロックアイコンボタンが表示されます。このように、リスナーはシームレスなリスニング体験ができるとしています。

さらに、リスナーはさまざまなポッドキャスト配信プラットフォーム上で、サブスクリプションサービスの利用状況を確認できます。

第一弾として、すでにポッドキャストの収益化に成功しているクリエイター12名がテストに参加してサブスクリプション限定コンテンツを公開し、今後はより多くのクリエイターやリスナーが利用できるようにしていく意向です。
クリエイター支援ツールと広告マーケットプレイス
上記のサービスに加え、他のポッドキャスト配信プラットフォームでサブスクリプションサービスを提供しているクリエイターが、コンテンツをスポティファイに統合するツール「スポティファイ・オープンアクセス・プラットフォーム(OAP)」の開発にも取り組んでいるようです。このツールは現在テストを進めており、今後数カ月のうちにパートナーや機能について発表する予定です。
さらに、あらゆる規模の広告主が、幅広いコンテンツを消費しているリスナーとつながれるオーディオ広告マーケットプレイス「スポティファイ・オーディエンス・ネットワーク」も発表しました。5月より、アンカーを使用する一部の独立系クリエイターがこのマーケットプレイスを利用でき、今後より多くの人が使えるようにする意向です。
このマーケットプレイスは、RSSを利用した既存のポッドキャスト広告ソリューションよりもはるかに優れた価値を広告主に提供し、より多くのクリエイターがポッドキャストで収益を上げられると同社は考えています。
クリエイターの手数料やサブスクリプション価格の設定など、アップルとは異なる条件の有料サブスクリプションを展開するスポティファイ。海外展開も含め、今後の動向に注目していきたいとこ