【メディア企業徹底考察 #12】売上減少が止まらない朝日新聞、巨額赤字の先に未来はあるか?

朝日新聞社がコロナ禍の2021年3月期に赤字を出したことが話題となりました。純損失額は441億9,400万円。創業から140年以上経過した長い歴史の中で最大の赤字額となりました。しかし、朝日新聞が憂慮すべきなのは、新型コロナウイルス感染拡大という突発的な出来事を背景…

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朝日新聞社がコロナ禍の2021年3月期に赤字を出したことが話題となりました。純損失額は441億9,400万円。創業から140年以上経過した長い歴史の中で最大の赤字額となりました。しかし、朝日新聞が憂慮すべきなのは、新型コロナウイルス感染拡大という突発的な出来事を背景とした一時的な赤字ではなく、毎年少しずつ減少している売上高の方です。朝日新聞は巨額の損失を計上してさえ3,470億円以上の純資産があり、増資によって株主構成が変化する可能性は極めて低いためです。

■朝日新聞業績推移(単位:百万円)

有価証券報告書より筆者作成

朝日新聞の業績は驚異的な利益率の不動産事業に支えられていました。外資系高級ホテル「コンラッド大阪」が入る「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」の稼働が落ちるなど、ビルの収益性が急速に失われたことが今回の赤字の原因です。赤字体質だったメディア事業の損失額を不動産事業が受け止めきれませんでした。経常損失は5億円。そこに、将来の利益期計画を見直して繰延税金資産を取り崩したため、440億円を超える赤字を出すこととなりました。

この記事は、朝日新聞の事業構造を見ながら、売上高の減少や赤字に陥った原因を解説するものです。

利益率1%以下のメディアを2桁利益率の不動産が支える構図


《不破聡》

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