メディア業界の一週間を振り返る【Media Innovation Newsletter】2/28号

毎週金曜日発行、メディア業界の一週間を振り返る「Media Innovation Newsletter」の創刊準備号です。毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、Media Innovationの人気記事を紹介していきます。 ※次号以降、会員限定記事として配信を予定してい…

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メディア業界の一週間を振り返る【Media Innovation Newsletter】2/28号

毎週金曜日発行、メディア業界の一週間を振り返る「Media Innovation Newsletter」の創刊準備号です。毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、Media Innovationの人気記事を紹介していきます。

※次号以降、会員限定記事として配信を予定しています

もくじ

・注目トピックス解説 「ノーコード」特集始まりました
・今週の人気記事 コロナウイルスの各社対応に注目
・今月のイベントのご案内
・編集責任者からひとこと

注目トピックス解説 「ノーコード」特集始まりました

2月の特集は「デジタル世界を変える、ノーコードの新潮流」と題して、コードを書かなくともソフトウェアの開発を可能にするノーコードという動きを紹介しています。デジタルトランスフォーメーションという事が叫ばれ、ビジネスをどうデジタルに変えていくかが企業の将来を決めると考えられるようになりました。

しかしデジタル化を実現するために不可欠なエンジニアは非常に貴重なリソースとなっています。そこで、非エンジニアでも使えるツールが脚光を浴びるようになりました。特にエンタープライズの領域で、従業員向けのソフトウェアでは数年前から、ローコード(コードの介在する量が少ない)のツールが普及し、その開発スピードが上がっています。国産ツールではKintoneや、海外産ではSalesforceが代表例です。

今この領域が面白いのは、エンタープライズではなく、ユーザー向けのソフトウェアやウェブサービスでもノーコード、ローコードで開発するためのツールが揃ってきたことです。それもサービスの一部分だけを担うのではなく、フルスペックのサービスを開発するためのツールが出てきています。特集でもインタビューした、ファンリピートが受託開発に活用しているというBubbleは高性能なウェブサービスをブラウザ上で、ノーコードで開発~運用まで一気通貫で実現できます。ウェブサイトでは国産のSTUDIOというツールが非常に洗練されたサイトを制作できると世界で注目を集めています。

さらに、SaaS全盛で、様々な単機能なツールが溢れている現代では、それらのソフトウェアを連携して活用することが不可欠です。その自動化をノーコードで実現できるiPaaSというツールも普及をはじめています。特集ではAnyflowを取材。特定の条件で起動し、自動的にツール間のデータを連携させ、動作させるというiPaaSは、エンジニアでなくても、自分の業務の生産性を劇的に向上させる可能性があります。

ノーコードといっても、コードを書かないだけで、ソフトウェアを動作させるという意味ではエンジニア的な思考が不要になったわけではありません。ただ、デジタル対応がビジネスの根幹を成す世界においては、誰もが自分たちを生かしている基盤を知らずにはいられません。ノーコードツールを触ってみて、デジタルトランスフォーメーションを自分でも始めてみるのはいかがでしょうか? カオスマップもぜひご参照ください。

今週の人気記事 コロナウイルスの各社対応に注目

コロナウイルスへの警戒感が一気に高まった一週間となりました。政府は2日からの公立小中高校の休校を要請。大規模なイベントも自粛が続いています。株価も連日の大幅な下落が続き、実体経済への影響も懸念されています。

そんな中で、メディア各社はコロナウイルスについての適切な情報提供のために様々な試みをスタートしています。そんな取り組みを紹介した記事が人気ランキングの一位になりました。

また、3日は米大統領選挙で前半の山場と言われる、多数の週で党員大会が開かれるスーパーチューズデーを迎えます。8位には、通信社のBloomberg創業者で民主党からの指名を目指しているマイケル・ブルームバーグ氏の記事がランクイン。

Twitterのフェイクニュースへの取り組みも紹介しました。4年に1度の非常に重要なイベントである米大統領選挙では様々な情報が流通するため、各社が対策を打ち出しています。

1. 新型コロナウイルス、メディア各社が特設サイトを開設・・・SNSはフェイクニュースへの対策

2. 【特集】SaaSを繋げて業務を変革するノーコードのiPaaS「Anyflow」坂本社長に聞く

3. LINE初となる総合エンタメメディア「Fanthology!」提供開始…

4. 「新たなスタートアップ・エコシステム形成への挑戦」電通グロースハックプロジェクトが考える地方スタートアップの可能性とメディアの未来

5. Taboola、メディア向けツールにサブスクリプション獲得支援を追加

6. 【特集】ノーコードツールでウェブ開発の常識を変える・・・ファンリピート竹村社長

7. プログラマティック広告、米国のオンライン広告の85%を占める

8. ブルームバーグ氏、大統領に当選したらBloombergを売却する意向・・・時価総額は5兆円以上か

9. アイティメディア、イベントのオンライン開催を支援

10. Twitter、誤ったツイートに対して特別なラベルを付ける実験中

今月のイベントのご案内

2月は3つのイベントを予定していましたが、コロナウイルスの感染防止の観点から中止させていただきました。次回以降はオンライン配信の体制も整え、実施できる方向で進めたいと考えています。中止になったイベントも再度実施を検討しています。

編集責任者からひとこと

コロナウイルス一色の一週間となりました。パニックの様相も呈する中で、真偽の怪しい情報も流通していることから、メディアとしても適切な情報提供がより求められます。PV目的ではないかというような記事を見るのは非常に悲しいことです。

イベントやサロンを新しいビジネスモデルと考えていたメディアの中には打撃もあるかと思います(我々も例外ではありませんが)が、これを機会と捉えて、オンライン配信やより良い方法論の模索に繋げていければと思っています。

停滞する業種が多い一方で、こういう状況下で、電子書籍やゲームなどは伸びていると聞きます。EdTech系の各社が休校となった学生向けにコンテンツを多数提供している(しかも無料のケースも多い)のは心強いニュースです。「ピンチはチャンス」と捉えて、前向きに機会を探る逞しさが求められそうです。

Media Innovation 土本

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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